本作品は、クラゲの拍動を「波」として可視化・音響化する新たなシステムを用いたオーディオビジュアル・パフォーマンスである。Sonic Rhopalia (2023,2024)で開発した従来の拍動検出に加え、触手などの微細な運動を検出可能にすることで、クラゲ全体の呼吸のような「面積の揺らぎ」をリアルタイムに捉えることを可能にした。クラゲの身体が拡張する瞬間(+1)と収縮する瞬間(−1)が波として空間に描かれ、その波形が音として響く。
複数種のクラゲがそれぞれ異なる周期とリズムを持ちながら共存し、独立した存在でありながらも一つの有機的な音楽体系を形成していく。観察者は、拍動ではなく波としての生命の振る舞いを目撃し、可視化されたクラゲの呼吸の中に、生命と環境、身体と音、時間と空間の新たな関係性を見出す。
このパフォーマンスは、生物が持つ非言語的リズムを音楽的構造へと転換し、「生命そのもののゆらぎ」を聴く試みである。
Direction / Concept / Performer / Sound Design / Visual Programming / System Integration: Kenshiro Taira
Detection Core System(Sonic Rhopalia): Sogen Handa
Research Affiliation: x-Music Lab, Keio University

You may also like

Back to Top