本作品は、3匹のミズクラゲを時間源とし、その拍動から生成されるKFO(Kurage Flux Oscillator)信号を三線演奏に結びつける構成で実施されたものである。KFOとは、クラゲの拍動をLFOのような内部信号としてではなく、「外部で進行し続ける時間」として音響パラメータの変化に用いるためのフレームワークであり、その揺らぎをそのまま音と光の変動として扱う点に特徴がある。各クラゲの拍動から生成された3つのKFO信号を用い、音源を三線に限定し、その音量や音色などのパラメータをクラゲ由来の時間変動で揺らがせている。Web Cameraで撮影したミズクラゲをYOLOv8で拍動の収縮面積をリアルタイム検出し、OSCを介してMax for Liveで-5-5Vの電圧に変換し、モジュラーシンセサイザー経由で三線の音に揺らぎを与える。
 VR空間内には3匹のクラゲに対応するオブジェクトが配置されており、いずれかのオブジェクトを選択すると、そのクラゲのKFOがアクティブになり、対応するクラゲ水槽の照明が点灯して「どのクラゲの拍動が三線を揺らしているか」が可視化される仕組みである。三線は電子音源ではなく弦振動を持つ生楽器として選択しており、演奏者自身のリズムの揺らぎと、3つのKFOがもたらす生物学的な時間変動とが、屋外環境の外音とともに同じ音響空間で重なり合う。
 本作品は、個人作品として制作を行い、卒業制作として公開した作品である。慶應義塾大学SFCで2025年11月に開催されたSFC Open Research Forum 2025、そして象の鼻パーク(横浜・みなとみらい)で12月に開催されたZOU-NO-HANA FUTURESCAPEPROJECT 2025にてパフォーマンスを行なった。
Direction, Sound Design, Hardware, Programming, Designer: Kenshiro Taira
Creative Direction:Yuta Uozumi, Kenta Tanaka, Ryoho Kobayashi
Academic Supervision : Shinya Fujii
Acknowledgements: This work was supported by the JST [Moonshot R&D Program] Grant Number JPMJMS2215 and the Ishii-Ishibashi Fund (The Keio University Grant for Early Career Researchers). 
クラゲの提供・管理協力:すみだ水族館

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