本作品では、2匹のミズクラゲの拍動を時間源とし、その揺らぎをKFO(Kurage Flux Oscillator)としてモジュラーシンセサイザー(VCO)とエレキギター/三線に適用している。 KFOとは、クラゲの拍動をLFOのような内部信号としてではなく、「外部で進行し続ける時間」として音響パラメータの変化に用いるためのフレームワークであり、その揺らぎをそのまま音と光の変動として扱う点に特徴がある。
 技術的には、クラゲの映像をカメラで取得し、YOLOv8でクラゲを検出してバウンディングボックス面積の変化から拍動信号を抽出し、Python→OSC→TouchDesigner→Max for Live→オーディオインターフェースという経路で連続的なコントロール電圧としてモジュラーシンセサイザーに入力する。この信号をローパスフィルタやローパスゲートのカットオフ、エンベロープの時間パラメータなどにマッピングすることで、音はクラゲの拍動に沿って周期的に揺らぎつつも、毎回少しずつ違う時間構造を帯びる。
 基本的に、Outdoor PerformanceやIndoor Performanceの際のシステム構成と変わらない。同じKFO信号はギターや三線にも適用され、演奏者はほぼ同じフレーズを弾いていても、音量や明るさがクラゲに引きずられるように変化するため、「自分のリズム」と「クラゲのリズム」が一つのモジュレーション枠組みの中で重なり合う。
 ZOU-NO-HANA FUTURE SCAPE PROJECT 2025でのOutdoor verでは3匹、Indoor verでは1匹で展示・パフォーマンスを行ったが、慶應SFCの有志で行った展示「Sound Out」では、ミズクラゲ2匹を用いて展示・パフォーマンスを行った。
 本展示は、パフォーマンスとインスタレーションが融合した形になっており、パフォーマーが演奏するだけではない。パフォーマーが存在しなくとも、モジュラーシンセサイザーにより、自動演奏も立ち上がる。
Direction, Sound Design, Hardware, Programming, Designer, Camera Direction:    Kenshiro Taira
Special Thanks: Riki Saito, Yukihiro Sugawara

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